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たかがらーめん”ですが、実は様々な歴史の宝庫。
そんな事を考えながら食べるのも「粋」ですよね。
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「
喜多方の位置マップ
」
〜 蔵とらーめんの街 〜
喜
多方の地名は、江戸時代に会津藩内の北部に位置していたので「北方」と
呼ばれたことに由来しています。明治8年に五つの村が合併して「喜多方町」と
なり、さらに昭和29年にその「喜多方町」と七つの村が再合併して、現在の「喜多方市」になりました。
喜多方市は東北地方福島県の北西部に位置しており、北部は山形県境に接し、東には秀峰会津磐梯山、西に霊峰飯豊山を望む、農業を中心とした典型的な田園都市です。 しかし最近では「蔵とらーめんの街」として全国的に脚光を浴び、年間百万人を超える観光客を迎える観光都市にもなっています。
そもそも「蔵とらーめんの街」の起こりは、昭和五十年代半ばのことです。市内在住の写真家が、近代的な街づくりのために壊されていく蔵に心を痛め、素晴らしい蔵々を文化遺産として後世に残そうと写真展を開いたことがきっかけとなってマスコミに取り上げられ、全国的に有名になったのです。
それ以降、市内に点在する二千六百棟以上もの蔵々を見学する観光客が増え、その観光客が食べたらーめんの評判が瞬く間に口コミで広がり、グルメブームやらーめんブームに乗って全国規模の人気を博しました。今ではこの小さな街に120軒以上ものらーめん屋が軒を並べ、味の開拓に切磋琢磨し日々競争を続けている、人口比率日本一のらーめん屋の街になっています。
〜麺とスープの秘密〜
喜多方らーめんの歴史は、大正の末期に、とある中国人が屋台を引きながら、らーめんを売り歩いていたことに始まったと言われています。それ以来、実に約70数年もの歴史を持っているのです。ですから、今でもらーめんのことを「支那そば」もしくは「中華そば」と呼んでいるお店が多いのです。喜多方らーめんの特徴は「平打ち熟成多加水麺」といわれる太い麺で、時間をかけて熟成させているのでコシも強く、食べ応えもあります。また、麺に縮れがあるので口に入れたときにスープが程よく絡み、麺とスープとの絶妙なハーモニーが味わえます。
そのスープは、地元で採れた新鮮な野菜をたっぷりと使って、豚骨や鳥ガラ、さらには煮干などの海産物(乾物)と一緒にじっくり煮込んだ上、蔵の中で熟成された醤油や味噌で絶妙に味付けされるのです。すなわち、喜多方産のおいしい食材が、一杯のらーめんの中にすべて凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。
そして忘れてはならないのが、「おいしい喜多方の水」です。霊峰飯豊山に積もっ
た万年雪は、地下水となって自然の力で浄化され、やがてミネラルをたっぷり含んだ清らかな伏流水として湧き出てきます。この水がなければ豊かな農作物の貯蔵庫としての蔵文化や、造り酒屋などの醸造文化も存在しなかったかもしれません。つまり、喜多方らーめんの麺はもちろん、スープの原料となる野菜も、さらには醤油や味噌なども、この「おいしい喜多方の水」のおかげだったわけなのです。
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